人生の中でApple Musicを数少ない娯楽として扱っているため、今年も多くの音楽と触れ合う機会がありました。広く薄くという形で音楽を楽しんでいるので、特定のアーティストについて深堀りわけではないのですが、恋文や恋ゲバなどを「比較的初期」から聞いていた新しい学校のリーダーズを始め、以前から知っていた方々が大成していく姿などを見かけることもしばしばあります。色々な音楽とのコネクションを作ってくれているApple Musicですが、Windowsアプリがいつの間にか作られていたため、PCにインストールしてみました。ただ、iOSやAndroidのアプリをベースにした内容と言う事もあり、改善点がかなりあるような作りであり、現段階ではあまりおすすめ出来ないような気がしました。
当然、iTunes時代と比較するとハイレゾとハイレゾロスレスに対応するという、個人的には非常に大きなメリットがあります。ほぼ10年選手ですが、USB経由で24bit/96kHzに対応したオーディオインターフェイスを接続しており、先日購入したQ20iであってもAirPodsとは比較にならないほど音の広がりを感じるなど、同サービスの恩恵を十分に受けています。ただ、やはり使い勝手が良くなければ減点する場所がいくつも生まれてしまうため、結果的に現在の評価ランクはマイナス圏に位置しています。
まず、iTunesで重宝していた「重複する項目を表示」が消滅しており、先行配信、EP、アルバムで気付かぬうちに同じ曲が何度も取り込まれてしまうなどの問題が何度も発生しています。アーティストの方からすればアルバム順序に意味を持たせているのは「古来」からのやり方なのですが、基本的に独自の基準などで作ったシャッフル再生で聞くことが多く、重複項目を含めたアルバムの再生については、ライブラリを使わずに直接Apple Musicのページへ飛んで再生することがあります。故に、各アプリに合わせるような形で採用されたと思われる今回のソフトでは、再生回数の項目を逐一アーティストページなどでチェックするなどして、重複項目を消す必要があります。ただ、この削除方法についても万能ではなく、なぜかプレイリストの中で選択曲が1カ所ズレてしまったために、全く別の曲が削除されてしまうという事故を数回起こしてしまいました。再生回数を直接いじることもできないので、5年前に取り込んで100回以上再生されたとある曲が「未再生」のプレイリストに突っ込まれるなどしています。
全曲一覧や1000曲以上あるプレイリストのページについても、それぞれ表示が非常に遅くなっています。現在はおそらく2万曲近くが入っていると思いますが、これを「曲」のページで全部見ようとすると、最低30秒かかってしまいます。bonjour.exeがないためにiTunesの起動までに10分以上かかってしまう現象からすればマシの領域ですが、再設計を行うのであればiOS、Androidと合わせた対応を行って欲しいなと思いました。同じくWindows特有の問題と思われる現象として、スピーカーとヘッドホンの切り替えがうまくいかないというものがあります。場合によってはソフトを再起動させなければ、希望する端末での再生が行われなくなってしまうため、それが毎回ストレスになってしまいます。iTunesの時には、その現象を逆手にとってヘッドホンではApple Musicの楽曲、スピーカーではYouTubeの動画を再生という裏技（？）を使って快適に使い分け出来ていましたが、今回はそれも通用しません。
また、iTunes時代からの長年の課題として、再生回数の同期タイミングがいつまでも不可解な状態で、プレイリストがきちんと反映されないなどの障害が続いたままになっている、というのもあります。単に曲の追加や削除についてはどの端末でもほぼリアルタイムで反映されるのですが、残念ながらiOSで再生した楽曲が。再生したという情報を1回ずつサーバーなどに送ってしまったら膨大な負荷や通信が発生してしまうという事情もあるかもしれませんが、今はHTMLですらリアルタイム同期のような仕組みを作れるわけですから、この辺りはもっと柔軟かつシームレスに対応していただきたいな、と常々思っています。
おそらく現在だけのバグとして、Android限定で「プレイリスト」にある各種リストが1画面にまとめられてしまうという問題もあります。全体からすれば些細な出来事だと思いますが、1つ1つが積み重なって最終的に評価がダダ下がりしてしまうというようなパターンは、人間関係などでもありふれた現象であり、このようなバグを少しずつでもいいので取り除いていくことが、最終的にはサービスの向上につながるのではないかな、と思ってしまう節があります。