2021年によく聞いた曲について

大原櫻子 – STARTLINE


競艇のCMがリニューアルされたタイミングで使われていた曲です。「一本満足バー」などのような商品ありきで作られた楽曲でない物の中では、久しぶりにぴったりと歯車が合うような感覚のタイアップだったように思えました。春先に聞くと、少し学生気分や新入社員気分に戻れるような気がするかもしれません。

Indigo la End – 晩生


川谷絵音さんの作品らしい世界観がちりばめられており、いわゆる「真面目な恋愛」ならではの内容かと思ったのですが、インタビューを読んでそのまんまの意味だったとは思いませんでした。日本の話というよりは、今まさにこの曲の世界観のような場所に身を置いているような人々の話にも感じたのですが、もしかしたら「当時」騒乱が置きかけていた場所でも、このような心情になった人々は多かったのかなとも思いました。

宇多田ヒカル – One Last Kiss


今年公開されたシン・エヴァンゲリオン劇場版:||については未だ視聴しておらず、Qまでの記憶しかないのですが、One Last Kissは純粋に宇多田ヒカルさんが手掛けたJ-POPとして楽しませていただきました。エヴァのあらすじ自体は抑えているので、多分視聴後にこの曲を聞いたらまた違う気持ちになるのではないか、と思います。

藤井風 – 旅路


デビュー時から心を奪われているアーティストの1人なのですが、今年発表された楽曲の中でも旅路は頭一つ抜けて藤井さんの素晴らしさが染みわたり、決してそういう意味で作られた曲ではないと思うのですが、人生の終わりに聴きたくなる曲としても上位に食い込むなどしていました。また、この曲がエンディングとして採用したドラマ「虹色カルテ」も拝見し、テレ朝系ドラマで久しぶりに最初から最後まで観た作品となりました。

yama – 名前のない日々へ


今年注目されたアーティストとして取り上げられることのあるyamaさんの中からは、この曲を選出しました。STARTLINEとはうってかわって、卒業シーズンならではの切なさを表現されており、夜更かしをした時などにも「エモい気分」に浸ることができるかもしれません。

竹原ピストル – 今宵もかろうじて歌い切る


野狐禅時代からひそかに注目している竹原ピストルさんの曲で、今回もバイプレイヤーズの主題歌として採用されています。応援歌などが数多く注目されるようになったことで、以前のような泥臭さは無くなっていたようにも思えているのですが、やはり竹原さんが生み出す哀愁の情景は、歌詞の節々から感じられるような気がしています。

MARiA – ガラスの鐘


GARNiDELiAのボーカルであるMARiAさんが、ソロ歌手としてリリースしたアルバムの中から、この曲を選出しました。歌詞の内容だけ見ると新解釈のシンデレラと言った所なのですが、曲の疾走感と歌声がズキズキと心に刺さりました。GARNiDELiAでは、どこかさわやかでエモーショナルな夜の世界に似合う歌を歌うことが多いようにも思えるのですが、今回は真逆とも言える世界観でした。

Awesome City Club – 夏の午後はコバルト


勿忘から知った新参者ではあるのですが、今回挙げた夏の午後はコバルトやceremonyのように、昼の新宿中央公園や新宿御苑を散策したくなるような曲が非常に似合っているようにも感じました。個人的には「やべ~勢いですげー盛り上がる」とは違う角度から、何も考えずに飛び跳ねながら移動したくなるような曲でもあり、どんな日でも清涼感のある1日に変換されそうな魅力を持っているようにも思えました。

GADORO – 貧乏なんて気にする


KOHHさんの「貧乏なんて気にしない」にインスパイアされた曲のようで、同じ「貧乏」というテーマを持ちながらも、GADOROさんの境遇などを、悲観的でも楽観的でもない独特な目線で書き綴っています。「貧乏」を抜け出してからも、AK-69さんや20年前ぐらい前のZEEBRAさん達のような煌びやかな世界を描いているわけではなく、ZORNさんの「洗濯物を干すのもヒップホップ」に近い世界観で、ご自身にとっての幸せを享受されている様を示唆しています。

AKB48 – 根も葉もRumor


総選挙が消え、一時は要の劇場公演も無くなり、さらには秋元康さんが手掛ける他のグループなどの勢いが増し、冠番組が数カ月で消えてしまうなど、踏んだり蹴ったりのAKB48ですが、やはり平成の一時代を築いたということもあってか、激しいダンスを見事にこなし、そこにアイドルらしい爽やかさも忘れないという、意地を見せた1曲にも思えました。残念ながら2年連続で紅白の選考から漏れてしまう形になってしまいましたが、日本レコード大賞にもノミネートされるなど、曲自体のパフォーマンスを見せつける場で頑張っていただきたいなと思いました。

fox capture plan – Nexus


ゴールデンタイムに放送されるドラマにおいて、江口のりこさんが初めて主演を務めたSUPER RICHのBGMを担当されているfox capture planによる楽曲です。この曲もどこかのドラマでメインテーマとして使われてもおかしくないような、静寂と盛り上がりがはっきりとした綺麗な音色と進行のInstrumental作品で、始業時や授業開始時とかに聞くと目が覚める気がします。

楠木ともり – よりみち


先日投稿した動画でnarrowを紹介した楠木ともりさんの楽曲ですが、11月に発売されたEPの中では「よりみち」が最も心に刺さった曲でした。最近はオラフの声優として名を馳せ、楠木さんとは最近のアニメ作品でも共演されている武内駿輔さんが参加されていることも注目ポイントかもしれませんが。気分的には夏の午後はコバルトと近いものを感じるのですが、歌詞にある通り、夜中に何も考えずに散歩をしている時に、ふと聴きたくなる曲でもあります。

YOASOBI – 三原色


ahamoのCM楽曲として今年の初旬からテレビで幾度となく流れていた曲で、サビの爽快さが非常に印象に強く残り、配信されてからは夜に駆けるの再生数を2週間で上回りました。MVでは幼い頃の3人が大人になって再会する姿などが描かれていましたが、もしかしたら店舗を落としてピアノバラードっぽく仕上げたら、卒業ソングとしても使われるようになるかもしれません。

木梨憲武 – 命綱 feat. マツコデラックス, ミッツ・マングローブ


音楽活動に再び精を出されるようになった木梨憲武さんの新アルバムから、この曲をチョイスしました。マツコさんを起用するという意外性や、楽曲制作陣の豪華さなども注目ポイントかもしれませんが、令和の時代に昭和の雰囲気を感じられるザ・歌謡曲という歌詞と歌い方が非常に印象的でした。先日のFNS歌謡祭で披露されたことをきっかけに、この曲のよさがまた少し広がったらとも思いました。