今月の中旬に、尾道ラーメン壱番館の新宿御苑店が閉店するという案内を出していました。名だたるラーメン店がひしめき合う中、新型コロナ流行の真っ只中にあたる2020年に出店した同店ですが、東京進出から4年目で閉店という選択をされることになったようです。
車のみならず歩行での通行でもややコツがいる四谷四丁目交差点、そして建設工事が終盤を迎えているクラッシィタワー新宿御苑の間に位置する同店は、瀬戸内海沿いにあたるエリアで営業する壱番館の支店として誕生しました。本店はミシュランガイド広島に掲載されたこともあり、店内には記念品とみられるトロフィーも飾られていました。
過去に2度訪問した際には、最も安価な尾道ラーメンを注文していたのですが、今回は「1000円の壁」を乗り越えて炙りチャーシュー麺を注文しています。さすがに通常のラーメンと違う工程が必要ということもあってか、提供していただくまでに前回比で倍くらいの時間がかかりましたが、丼に蓋をするような形で並んだ3枚のチャーシューは、強烈なインパクトがありました。最近はせめてもの健康増進策として、家系ラーメンで必ず「薄め少なめ」にしているのですが、今回は隅々にまで行きわたった背油を含めた様々な油分を堪能することにしました。
1枚目のチャーシューは届いてすぐいただいたため、本来のチャーシュー(?)とも言える部分をより色濃く感じられ、炙られたことによって出てくる焦げの旨みをよりダイレクトに感じられました。2枚目は新鮮な状態で盛り付けられたねぎ、そしてスープをしっかりとしみこませたメンマと共にいただき、白米を注文しなかったことを後悔する気持ちが、心の奥底にほんのり湧き出てきました。3枚目をいただく前に麺やスープを存分に堪能しましたが、食べ応えがありながらもスープと喧嘩していない麺が以前と変わらず非常に美味しかったです。実は入店前に「追加の麺」を注文する形にしようかとも考えており、もしも今月までの間にもう1度訪問できる余裕があったら、個人的な食費の予算に合わせる形で注文しようかと思っています。
世の中にはとんかつや生クリームを飲み物と表現する店舗や商品がありますが、尾道ラーメンのスープは本当に飲むためのスープとして設計されているのではないかと勘違いしてしまうような味になっており、スポーツドリンク、もしくはコーンスープのようにするすると体内に吸い込まれて行きました。今回は炙りチャーシューも頼んでいたためか、前回とは違う旨みのようなものを感じられました。
松壱家が新宿から姿を消して2年近くが経ちますが、「四谷方面でラーメンを食べる」という目的がまた1つ消えてしまうのは、ちょっと残念だなと思いました。ただ、Xに投稿されていない長文の挨拶には「必ずまた東京に戻ってきます。」という一文があったので、#新宿地下ラーメンで期間限定という形でもいいので再び新宿へ戻ってきてほしいですし、もっとわがままを言えば新宿駅周辺へ出店していただけたらとも思っています。